今回はご質問をいただいている中からフェイントについてのお話をしたいと思います。
質問を下さった方のコメントでは
「ある格闘家は相手がすべてのフェイントに対応してくれてやりやすかった」
と言っていたらしい。
そして以前あのフロイド・メイウェザーとエキシビションをおこなった那須川天心選手は
「メイウェザーはすべてのフェイントに反応してやりにくかった」
と言っていたようなんですね。
私はこのコメントを知らないのですがこの那須川天心選手のコメントにはメイウェザーと天心選手両方に凄さを感じて感動しましたね。
そしてその両方をふまえて鈴木さんはどちら派でしょうか?とのことだったのですが少々質問内容がざっくりとしてしまっているので聞きたいことに答えられるかどうかわからないんですけれどもフェイントに反応するしないというのは動きの問題だと思うのでそのことを書いてゆきたいと思います。
まずフェイントでの攻防で1番最悪なのはフェイントにまんまと騙されてフェイントをかけている選手の思惑通りの動きをしてしまった場合が1番最悪な形だと思います。
「すべてのフェイントに対応してくれてやりやすかった」
というのはこのようなことなのではないでしょうか。
それとは逆にフェイントに反応して何かしらのモーションを起こしてそのフェイントを対処するということもあると思うんですね。
メイウェザーはこれにあたるのではないのかと思うんですけれどもすごく細かく頭や手を動かしてますよね。
相手のフェイントに過剰に反応せず小さな動きで反応することで相手のフェイントに対して対処してるのではないかと思います。
そして私はどちらかと言うご質問なのですがどちらかと言ったら後者の方ですね。
フェイントに対して過剰に反応しすぎない。
なので相手の動きは見えてわかっているんです。
見えているんですけれども私はブロッキングをディフェンスの主としているので相手が何かしら攻撃モーションが来たらそれがフェイントだろうと本物だろうとしっかりとブロッキングをしてしまえばいいと思っています。
すべての動きに対して反応していますがとても小さな動きです。
私の構え方としては左手を下げて構えるデトロイトスタイルと顔の前でがっちりとグローブを合わせて構えるピーカブースタイルのどちらかです。
デトロイトスタイルのときには主に左肩と右手を使ってディフェンスをするのでそのあたりを少し動かしてフェイントをかけたり対処したりします。
メイウェザーも左手を下げて右手はしっかりとアゴにくっつけて左の肩と右手を使って体を揺すって相手の攻撃をいなす「フィリーシェル」なんていうふうにいわれたりもしますけどそのようなディフェンスで相手の攻撃をいなしていることが多いんですよね。
それがフェイントに引っかかったからと言って体制が崩れるようなディフェンスの仕方じゃないんですよね。
だからすべてに反応していても大ピンチになる事はないしむしろ攻撃のチャンスを作り出したりもしていますね。
ピーカブースタイルの場合は顔の前でガードを締めているんですけれども相手の右の攻撃に対してはこの左手左肩を使って受け止めて左の攻撃だったら右手右肩で受け止める。
少し体を左右に回しながら受けている感じですがこちらももしフェイントに反応して動いてしまっても大きく体が乱れないので大ピンチに陥ることは少ないと思います。
そして下手な人に多いのがすごくゆったりとルーズに構えてやたらと手が動いてる人。
おそらくパーリングやストッピングのようなとても難しいディフェンスをしようとしている人が多いと思います。
上手い人だったらいいんですけど下手なのにパンチが来たら手で叩こうとか拳で払おうとかしてしまっていてパンチの入る隙間が余計大きくなっている選手が多いですね。
そういう人達には本当にフェイントが有効ですぐにフェイントに引っかかってくれるので隙間ができたところに打ち込めばいいという展開を作れ出せるのでやりやすいですよね。
私の考え的にはあまりパンチを払ったりとかしようとせずにしっかりとガード固めて急所を守って少しの動きでディフェンスするのがいいと考えています。
メイウェザーも左手は下がっていますけど肩でアゴを守って肘でボディを守り右手は顔のそばに置いて肘を締めて拳と肩で顔を守って肘でボディを守りながらボディーワークで頭と体を動かすのでとらえにくいんだろうなぁというのが私の見解ですね。
手が前に出ていることがあってもふわふわとルーズになっているということはほとんどないと思います。
なので私はすべてのフェイントに反応していますけどもほとんど動かないでガードを固めたまま受け止めると言うディフェンスの仕方をしております。
常時全力 気楽にいこうぜ
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