ジャブの一般的な見解と重要性
先日の武居由樹の試合について武居の戦い方に
「ジャブが少ないというコメントを多く聞くのですがどうなのですか?」
というメッセージをいただいたので今回は「ジャブ」について私の考えをお話ししようと思います。
ジャブは多くの専門家や解説者によってボクシングにおける重要性や基本的な打撃として強調されております。
しかし私は必ずしもジャブが基本的な打撃であったり重要であるとは思っておりません。
ジャブの用途は多くありますが特にジャブでなくても他の打撃や動きでも戦いにおける優位性をとってゆくことはできます。
したがってジャブがボクシングにおいて重要であるという一般的な見解には必ずしも同意できません。ジャブはあくまで一つの手段であると考えています。
ボクシングは多様性と創造性に溢れたスポーツでありそれぞれのボクサーは自身のスタイルと戦略を持っています。
ジャブを得意とし頻繁に使用しなが優勢をとってゆくボクサーがいればそれ以外のパワーやスピード、フットワークで優位に試合を展開してゆくボクサーもいます。
ジャブに対する誤解とパンチの分類
そして「ジャブ」とはどのパンチを指しているのかという見解の違いでも話は変わってくると思います。例えば私はパンチは大きく分けてストレート、フック、アッパーの3種類だと考えます。
それらのパンチをあまり力を入れず小さく打つ打撃も「ジャブ」と言えると思います。
そして「ジャブが少ない」という解説を聞くと「好き勝手言っている」「素人っぽい」と思ってしまいます。
「ジャブが少ない」と解説するのではなく「もっとジャブを使ってこうした方がいい」「もっとジャブを使えばこういう展開を作れる」のように具体的に話すのが本当の解説ではないだろうか?実際ジャブなんかほとんど使わない世界チャンピオンもちょいちょいいます。
そして私が今まで観てきた武居の試合で「ジャブが少ないから良くない」のような試合はなかったと思います。
先日の試合のKOも右ジャブからの左ボディフックのワンツーでした。
私の試合でのジャブの役割と解説の反応
以前の私自身の試合でインファイターと対戦した時のことです。
私の懐に入ってインファイトをしたい相手は私のジャブに対してヘッドスリップしたりカウンターを合わせてきたりしながらインファイトに持ち込んできました。
私は「ジャブが相手の攻撃のきっかけになってしまっている」と感じジャブを打つのをやめ接近してパンチを打つことに作戦を変更しKO勝利しました。
その後その映像を見たら解説が
「鈴木はリーチがあるのだからジャブを使ってもっと距離をとって戦った方がいい」
と言っていました。
ありきたりなよく聞くセリフです。
話がそれてしまったので戻すと武居は今までのようにフットワークでリングを広く使い鋭いステップインで強打を打っていくスタイルに長いラウンドを戦うボクシングの技術を身につければ良いのではないかと私は考えております。
そしてそれを軸にしてさなざまな戦術を増やしてゆけばいいと私は考えます。
常時全力 気楽にいこうぜ
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