2023年6月24日にWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ井岡一翔対ジョシュア・フランコが東京大田区総合体育館でおこなわれました。
この2人は昨年の大みそかに戦いドローという結果に終わったがその後1試合も挟まずのダイレクトリマッチということになった。
しかし試合前日フランコは約3kgの体重超過をし最終計量でも55kgとほぼ変わらず王座を剥奪されてしまいました。
これによりこの試合では井岡が勝った場合のみ王座として認められるという状況での試合となりました。
試合は開始早々からフランコがジャブを多用して右ストレートを打つというロングレンジでの攻撃で圧力をかけました。
しかし井岡は冷静にディフェンスをしミドルレンジからクロスレンジでの攻撃を狙う展開でした。
序盤のラウンドに井岡の右フックだったのか左ボディだったのかよくわからなかったが何かがヒットしたようでフランコが露骨に嫌がって退がる場面がありました。
チャンスかと思えたが逃げまわっていたフランコはそのラウンドの終盤には復活し何事もなかったかのように戦い始めるというシーンもあった。
中盤には両者が足を止めてクロスレンジでパンチを打ち合う激しい展開となり井岡の左フックでフランコが右瞼から流血しました。
その後もフランコの手数の中井岡の左右のボディブローを多用していました。
井岡のボディブローにフランコが嫌がる様子を見せつつもフランコもしっかりと応戦し手数は止まりませんでした。
後半は再び距離をとってロングレンジでの攻撃を始めたフランコの手数が目立ち井岡の手数が減ってしまう展開もありました。
しかし井岡はパンチを掻い潜ってクロスレンジでの攻撃を狙い続けました。
その中でフランコの連打を1発、2発、3発とボディワークでかわし続け舌を出して挑発する場面なんかもありました。
一進一退ので迎えたラストラウンドでは井岡は変わらず距離を詰めてボディブローを中心とした攻撃を続けフランコも細かくショートのパンチを当てて応戦していました。
しかし井岡のボディやアッパーでの攻撃のほうが有効に進めているように見えました。
そして12R闘い抜き試合終了。
判定は116-112,116-112,115-113とジャッジ3者ともに井岡を支持。
井岡が再戦を制しWBA世界スーパーフライ級チャンピオンとなりました。
この試合は井岡一翔の技術と戦略がとても光った一戦だったと思います。
前回の対戦ではフランコのロングレンジの攻撃に対して井岡は退がって立て直そうとしていたことでフランコ優勢と思われてしまうラウンドを作っていたように思えました。
しかし今回の井岡はブロッキング、ダッキング、スリッピングを駆使し多少被弾しながらも前に出続け退がるという場面がとても少なかった。
そして接近してからのボディブローの角度や打つタイミングの多彩さ。
絶対に勝つという強い意志や覚悟も見られましたね。
そしてこの試合で井岡が日本人男子の世界戦最多勝利記録を21に伸ばすというすごい記録更新もありました。
一方のフランコは体重超過ということでコンディションが悪い中での戦いだったのかも知れませんが動きを見るかぎる全然不調には見えなかった。
フランコの体重超過による王座剥奪から始まり多少興が削がれた感のあった試合でしたが井岡のテクニックに唸れたので良しとします。
井岡一翔選WBA世界スーパーフライ級タイトル獲得そして世界戦最多勝利記録おめでとうございます。
今後も井岡一翔選手の戦いに注目です。
常時全力 気楽にいこうぜ
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